コラム
防災道の駅とは。選ばれた79駅の一覧と選定の条件
2026年10月16日 公開 2026年10月19日 更新

目次
防災道の駅とは、都道府県の防災計画で広域的な防災拠点に位置づけられた道の駅を、国土交通省が選んで重点的に支援するしくみです。2021年6月に39駅、2025年5月に40駅が選ばれ、いまは79駅あります。
道の駅とは何かの記事では、第3ステージの話のなかで少し触れただけでした。ここでは、選ばれる条件、国の支援の中身、災害のときに実際どう使われたか、そして79駅の一覧を、国土交通省の資料からまとめます。
ひとことで言うと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何か | 広域的な防災拠点になる道の駅を、国が選んで重点的に支援するしくみ |
| いくつあるか | 79駅(2021年6月の39駅+2025年5月の40駅) |
| 誰が選ぶか | 国土交通省。都道府県からの提案を踏まえて選ぶ |
| 主な条件 | 都道府県の広域的な防災計画に位置づけがあること、2,500m²以上の駐車場、BCP(業務継続計画)など |
| 支援 | ハード・ソフトの両面から。期間は最大5年 |
| 災害時の役割 | 自衛隊・警察・テックフォースなどの救援活動の拠点、緊急物資の基地、復旧・復興活動の拠点 |
防災道の駅とは
最初の39駅を選んだときの報道発表は、制度をこう説明しています。
国土交通省では、「道の駅」第3ステージの取組の一環として、都道府県の地域防災計画等で、広域的な防災拠点に位置づけられている「道の駅」について「防災道の駅」として選定し、防災拠点としての役割を果たすための、ハード・ソフト両面からの重点的な支援を行うこととしています。
— 国土交通省 報道発表「「防災道の駅」として39駅を初めて選定しました!」(2021年6月11日、2026年10月確認)
同じ発表の添付資料は、2019年11月18日の新「道の駅」のあり方検討会の提言で、第3ステージ(2020年〜2025年)に目指す姿のひとつとして「新『防災道の駅』が全国の安心拠点に」が掲げられたことを示しています。
国土交通省の資料は、道の駅を防災の面から3つの層に分けて描いています。
- 広域的な防災拠点機能を持つ道の駅:防災道の駅が対象にするのはここ。大規模災害時に、自衛隊・警察・テックフォースなどの救援活動の拠点、緊急物資などの基地機能、復旧・復興活動の拠点になる
- 地域の防災拠点機能を持つ道の駅:地域の一時避難所など
- その他の道の駅
重点的な支援の対象になるのは、このうちいちばん上の層です。
選ばれるための条件
国土交通省の資料に載っている選定要件は、次の3つです。
- 都道府県が策定する広域的な防災計画(地域防災計画もしくは受援計画)及び新広域道路交通計画(国土交通省と都道府県で策定)に、広域的な防災拠点として位置づけられていること。ハザードエリアにある場合は、適切な対応が講じられていること
- 災害時に求められる機能に応じて、次の施設・体制が整っていること
- 建物の耐震化、無停電化、通信や水の確保等により、災害時においても業務実施可能な施設となっていること
- 災害時の支援活動に必要なスペースとして、2,500m²以上の駐車場を備えていること
- 「道の駅」の設置者である市町村と道路管理者の役割分担等が定まったBCP(業務継続計画)が策定されていること
- 2.が整っていない場合は、今後3年程度で必要な機能、施設、体制を整えるための具体的な計画があること
2025年の追加選定の資料では、1.に注記が1つ増えています。最寄りICまで5km圏内で重要物流道路(代替・補完路を含む)に接している場合、または道路啓開計画に拠点としての位置づけがある場合は、計画への位置づけがまだ整っていなくても、次の計画見直しのときに盛り込むことを条件に選べる、というものです。
3.があるので、選ばれた時点ですべての設備がそろっているとは限りません。
国の支援の中身
国土交通省の資料「『防災道の駅』における重点支援のイメージ」は、支援を次のように分けています。
ハード面
- 交付金による重点支援等。基本的な防災機能の整備として、耐震化、無停電化、通信設備、貯水施設、防災倉庫、防災トイレなど
- 状況に応じた機能強化として、災害の長期化への備え(備蓄強化、水回り強化など)、カーボンニュートラル対応(電源高度化など)
ソフト面
- ガイドライン・マニュアルを活用した、国によるBCP策定支援
- 過去の災害の教訓を踏まえた、実践的な防災訓練の支援
- 防災拠点自動車駐車場の指定制度による、災害拠点機能の強化など
支援の期間は最大5年で、社会資本整備総合交付金に係る整備計画のおおむねの交付期間と合わせてある、と注記されています。
災害のときに、どう使われたか
能登半島地震
2025年の追加選定の報道発表は、追加の理由をこう書いています。
能登半島地震においても、こうした「防災道の駅」が広域防災拠点として大きな役割を果たしたことなどを踏まえ、今般、新たに40駅を「防災道の駅」として追加選定したのでお知らせします。これにより「防災道の駅」は合計79駅となります。
— 国土交通省 報道発表「「防災道の駅」を追加選定!」(2025年5月14日、2026年10月確認)
同じ発表には、能登半島地震での使われ方が3つの駅について載っています。
- のと里山空港(石川県輪島市):発災直後から避難者へ水や毛布などの備蓄品を提供した。その後、支援物資の集配拠点や、道路啓開活動の拠点となる「道路啓開支援センター」として使われた
- うきは(福岡県うきは市):停電や断水のときでも使える防災用コンテナ型トイレを、被災地の幹線道路である国道249号近くの道の駅あなみず(石川県穴水町)へ派遣した。設置後は1日あたり300回程度使われ、うきはでの利用の約10倍だった。あなみずでの活用を終えたあとは、能登半島の中で移して能登町に置いた
- あらい(新潟県妙高市):各地の道の駅の備蓄品をあらいに集め、のと里山空港へ運んだ。水(ペットボトル)、非常食、トイレットペーパー、おむつ・生理用品、マスク、タオルなど
令和8年熊本地震
2026年7月30日の報道発表は、7月28日の地震を受けてこう書いています。
令和8年7月28日に発生した令和8年熊本地震の被災地支援のため、各地の防災道の駅等に設置している防災用コンテナ型トイレを被災地へ派遣します。
— 国土交通省 報道発表「道の駅・被災地へ防災用コンテナ型トイレを派遣」(2026年7月30日、2026年10月確認)
このときの派遣元として挙がっていたのは、ゆふいん(大分県由布市)、たるみずはまびら(鹿児島県垂水市)、都城NiQLL(宮崎県都城市)で、3駅とも防災道の駅です。発表によると、このトイレは浄化処理システムで洗浄水を循環させるので上下水道につながなくてよく、太陽光発電と蓄電装置があるので商用電源も要りません。ふだんは道の駅で使い、災害のときに被災地へ運びます。
防災拠点自動車駐車場とは別の制度
名前が似ているものに「防災拠点自動車駐車場」があります。こちらは2021年3月の道路法等の改正でできた制度で、広域災害応急対策の拠点となる道の駅や高速道路のSA・PAの駐車場を、国土交通大臣が指定します。2026年4月15日の追加指定で、全国535か所(道の駅389か所、SA・PA146か所)になりました。
指定された駐車場は、災害のときに防災拠点としての利用以外を禁止・制限できるとされています。防災道の駅の支援メニューにもこの指定制度が入っていて、2026年4月の追加指定には、防災道の駅のほうじょう、べに花の郷おけがわ、錦、よこはま、織姫の里なかのとも含まれています。
地方ごとの数
79駅を地方ごとに数えると、次のとおりです。
| 地方 | 駅数 |
|---|---|
| 北海道 | 7 |
| 東北 | 11 |
| 関東 | 9 |
| 甲信越 | 6 |
| 北陸 | 5 |
| 東海 | 8 |
| 近畿 | 8 |
| 中国 | 5 |
| 四国 | 8 |
| 九州・沖縄 | 12 |
都道府県で見ると、北海道が7駅でいちばん多く、東京都・神奈川県・大阪府・沖縄県には選ばれた駅がありません。
一覧(79駅)
国土交通省の一覧の順に、地方ごとに並べました。末尾の年は選ばれた年です。駅名は当サイトの登録一覧(国土交通省の「道の駅」一覧から作ったもの)の表記に合わせています。
北海道(7駅)
- てしお(北海道天塩町) 2021年
- ニセコビュープラザ(北海道ニセコ町) 2021年
- さるふつ公園(北海道猿払村) 2021年
- 厚岸グルメパーク(北海道厚岸町) 2021年
- 忠類(北海道幕別町) 2025年
- ハウスヤルビ奈井江(北海道奈井江町) 2025年
- 遠軽 森のオホーツク(北海道遠軽町) 2025年
東北(11駅)
- しちのへ(青森県七戸町) 2021年
- 遠野風の丘(岩手県遠野市) 2021年
- 協和(秋田県大仙市) 2021年
- いいで(山形県飯豊町) 2021年
- 猪苗代(福島県猪苗代町) 2021年
- よこはま(青森県横浜町) 2025年
- くずまき高原(岩手県葛巻町) 2025年
- 三本木(宮城県大崎市) 2025年
- 十文字(秋田県横手市) 2025年
- やまがた蔵王(山形県山形市) 2025年
- ひらた(福島県平田村) 2025年
関東(9駅)
- 奥久慈だいご(茨城県大子町) 2021年
- みぶ(栃木県壬生町) 2021年
- 川場田園プラザ(群馬県川場村) 2021年
- やちよ(千葉県八千代市) 2021年
- かさま(茨城県笠間市) 2025年
- しもつけ(栃木県下野市) 2025年
- しもにた(群馬県下仁田町) 2025年
- べに花の郷おけがわ(埼玉県桶川市) 2025年
- とみうら(千葉県南房総市) 2025年
甲信越(6駅)
- 小坂田公園(長野県塩尻市) 2021年
- 富士川(山梨県富士川町) 2021年
- あらい(新潟県妙高市) 2021年
- 富士吉田(山梨県富士吉田市) 2025年
- 上田 道と川の駅(長野県上田市) 2025年
- パティオにいがた(新潟県見附市) 2025年
北陸(5駅)
- のと里山空港(石川県輪島市) 2021年
- 越前おおの荒島の郷(福井県大野市) 2021年
- 万葉の里 高岡(富山県高岡市) 2025年
- 織姫の里なかのと(石川県中能登町) 2025年
- シーサイド高浜(福井県高浜町) 2025年
東海(8駅)
- パレットピアおおの(岐阜県大野町) 2021年
- 朝霧高原(静岡県富士宮市) 2021年
- とよはし(愛知県豊橋市) 2021年
- 伊勢志摩(三重県志摩市) 2021年
- ななもり清見(岐阜県高山市) 2025年
- 伊豆月ケ瀬(静岡県伊豆市) 2025年
- 筆柿の里・幸田(愛知県幸田町) 2025年
- 津かわげ(三重県津市) 2025年
近畿(8駅)
- せせらぎの里こうら(滋賀県甲良町) 2021年
- 但馬のまほろば(兵庫県朝来市) 2021年
- クロスウェイなかまち(奈良県奈良市) 2021年。選定時は「(仮称)中町」
- すさみ(和歌山県すさみ町) 2021年
- 妹子の郷(滋賀県大津市) 2025年
- 京丹波 味夢の里(京都府京丹波町) 2025年
- きなりの郷下北山(奈良県下北山村) 2025年。選定時は「きなりの郷 下北山(仮称)」
- 海南サクアス(和歌山県海南市) 2025年
中国(5駅)
- みやま公園(岡山県玉野市) 2021年
- 西条のん太の酒蔵(広島県東広島市) 2021年
- ソレーネ周南(山口県周南市) 2021年
- ほうじょう(鳥取県北栄町) 2025年
- 掛合の里(島根県雲南市) 2025年
四国(8駅)
- いたの(徳島県板野町) 2021年
- 滝宮(香川県綾川町) 2021年
- 天空の郷さんさん(愛媛県久万高原町) 2021年
- あぐり窪川(高知県四万十町) 2021年
- 貞光ゆうゆう館(徳島県つるぎ町) 2025年
- 源平の里むれ(香川県高松市) 2025年
- みま(愛媛県宇和島市) 2025年
- 南国風良里(高知県南国市) 2025年
九州・沖縄(12駅)
- うきは(福岡県うきは市) 2021年
- させぼっくす 99(長崎県佐世保市) 2021年
- たのうら(熊本県芦北町) 2021年
- ゆふいん(大分県由布市) 2021年
- 都城NiQLL(宮崎県都城市) 2021年。選定時の名前は「都城」
- たるみずはまびら(鹿児島県垂水市) 2021年
- みやま(福岡県みやま市) 2025年
- うれしの まるく(佐賀県嬉野市) 2025年
- 錦(熊本県錦町) 2025年
- あさじ(大分県豊後大野市) 2025年
- 北川はゆま(宮崎県延岡市) 2025年
- 出水(仮称)(鹿児島県出水市) 2025年。当サイトの登録一覧(第65回登録まで)にはまだ無いため、駅ページはありません
選ばれたときと名前が違う駅
選定の時点でまだ登録されていなかった駅は、仮の名前で一覧に載っています。
- クロスウェイなかまち(奈良県奈良市)は、2021年の一覧では「(仮称)中町」でした。当サイトの登録一覧では、2023年8月の第59回登録です
- きなりの郷下北山(奈良県下北山村)は、2025年5月の一覧では「きなりの郷 下北山(仮称)」でした。登録は2025年6月の第63回です
- 出水(仮称)(鹿児島県出水市)は、第65回登録までの登録一覧に見当たりません
- 都城NiQLL(宮崎県都城市)は、2021年の一覧では「都城」、いまの一覧では「都城NiQLL」です
数え方
国土交通省の「『防災道の駅』について」の一覧(2026年9月4日時点の資料、2026年10月確認)にある79駅を、駅名・都道府県・市町村で当サイトの登録一覧と1駅ずつ突き合わせました。78駅が見つかり、残る1駅は出水(仮称)です。地方の分け方は当サイトのほかの記事と同じで、地方ごとの数には出水(仮称)を含めています。集計は npm run stats:columns -w @gaugo/server -- bousai で数え直せます(出水(仮称)は登録一覧に無いので、この出力の数には入りません)。
この記事は、国土交通省道路局の資料「「防災道の駅」について」、報道発表「「防災道の駅」として39駅を初めて選定しました!」(2021年6月11日)「「防災道の駅」を追加選定!」(2025年5月14日)「「防災拠点自動車駐車場」を指定します」(2026年4月15日)「道の駅・被災地へ防災用コンテナ型トイレを派遣」(2026年7月30日)と、それぞれの添付資料(いずれも2026年10月確認)をもとに構成しています。引用部分は各ページからの引用で、出典表示のうえ利用しています。駅ごとの設備は、その駅の案内でご確認ください。
よくある質問
- 防災道の駅とは?
- 都道府県の防災計画で広域的な防災拠点に位置づけられた道の駅を、国土交通省が選んで重点的に支援するしくみです。災害時には、自衛隊・警察・テックフォースなどの救援活動の拠点、緊急物資の基地、復旧・復興活動の拠点になります。
- 防災道の駅は何駅ある?
- 79駅です。2021年6月に39駅、2025年5月に40駅が選ばれました。
- 防災道の駅に選ばれる条件は?
- 都道府県の広域的な防災計画などに広域的な防災拠点として位置づけられていること、2,500m²以上の駐車場、BCP(業務継続計画)などが主な条件です。施設や体制が整っていない場合でも、今後3年程度で整える具体的な計画があれば選ばれるので、選ばれた時点ですべての設備がそろっているとは限りません。
- 防災道の駅がいちばん多い都道府県は?
- 北海道の7駅がいちばん多いです。東京都・神奈川県・大阪府・沖縄県には選ばれた駅がありません。
- 防災道の駅と防災拠点自動車駐車場は同じ?
- 別の制度です。防災拠点自動車駐車場は2021年3月の道路法等の改正でできた制度で、道の駅や高速道路のSA・PAの駐車場を国土交通大臣が指定します。2026年4月15日の追加指定で、全国535か所(道の駅389か所、SA・PA146か所)になりました。
この記事で取り上げた道の駅
関連する記事
出典
- 国土交通省 道路局「『防災道の駅』について」(一覧・選定要件・重点支援のイメージ)(確認 2026-10)
- 国土交通省 報道発表「『防災道の駅』として39駅を初めて選定しました!」(2021年6月11日)(確認 2026-10)
- 国土交通省 報道発表「『防災道の駅』を追加選定! ~新たに40駅が追加選定され、全国で79駅となります~」(2025年5月14日)(確認 2026-10)
- 国土交通省 報道発表「『防災拠点自動車駐車場』を指定します」(2026年4月15日)(確認 2026-10)
- 国土交通省 報道発表「道の駅・被災地へ防災用コンテナ型トイレを派遣 ~令和8年熊本地震における被災地への支援~」(2026年7月30日)(確認 2026-10)



