コラム
チェーン規制とは。スタッドレスタイヤでも通れない、冬用タイヤ規制との違い
2026年10月7日 公開 2026年10月19日 更新

目次
冬の道路で見かける「チェーン規制」と「冬用タイヤ規制」。似た言葉ですが、中身はまったく違います。チェーン規制は、異例の大雪のときに、決まった区間で、チェーンを着けた車だけを通す規制です。スタッドレスタイヤを履いていても通れません。国土交通省の説明をもとに整理します。
チェーン規制は、いつ、どこで行われるか
国土交通省の「チェーン規制について」は、実施する時期と場所をこう説明しています。
- いつ:大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような、異例の降雪があるとき
- どこで:急な上り下りがある峠などで、過去に雪による立ち往生や通行止めが起きた場所のうち、タイヤチェーンを着け外しできる場所と、通行止めが解けるまで待てる場所がある区間
規制区間の手前では、タイヤチェーンを着けているかの確認が行われます。
ねらいは通行止めを短くすることです。大雪で通行止めにする場合でも、チェーンを着けた車は通れるようにして、雪による通行止めの時間をこれまでより短くすることを目指す、と説明されています。
平成30年(2018年)には、国土交通省と警察庁が「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」という規制標識を新しく設ける改正案を示しました。チェーン規制の区間では、この標識が規制の目印になります。
スタッドレスタイヤでも、4WDでも通れない
チェーン規制でいちばん誤解されやすいのがここです。国土交通省は次のように書いています。
- スタッドレスタイヤ:スタッドレスタイヤを着けていても大雪のときは立ち往生することがあるため、チェーンをしていない車はチェーン規制中に通れない
- 4WD:大雪の峠では、4WD車は重量が大きく、下り坂で急ブレーキをかけたときに止まるまでの距離が長くなるため、チェーンを着けていないと通れない
チェーンは駆動輪に着けるのが基本です。
どんなチェーンならいいか
国土交通省の説明では、自動車用品店などで売られているタイヤチェーンであれば問題ないとされています。種類として挙げられているのは次の3つです。
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| 金属チェーンタイプ | 金属製のチェーンやワイヤーの製品 |
| ウレタン&ゴムチェーンタイプ | ゴムなどの樹脂製の製品 |
| 布製カバータイプ | アラミドなどの特殊繊維製の製品 |
ただし、スプレーのように薬剤を吹き付けるタイプでは、チェーン規制中に通れません。
チェーン規制の区間(国土交通省のページに載っているもの)
国土交通省のページには、チェーン規制を行う区間として次の13か所が載っています(2026年10月確認)。
直轄国道
| 都道府県 | 路線 | 箇所 | 延長 |
|---|---|---|---|
| 山形県 | 国道112号 | 月山道路(西川町月山沢〜鶴岡市田麦俣) | 15.2km |
| 山梨県・静岡県 | 国道138号 | 山中湖・須走(山中湖村平野〜小山町須走字御登口) | 8.2km |
| 新潟県 | 国道7号 | 大須戸〜上大鳥(村上市) | 15.3km |
| 福井県 | 国道8号 | 石川県境〜坂井市(あわら市熊坂〜笹岡) | 3.2km |
| 広島県・島根県 | 国道54号 | 赤名峠(三次市布野町横谷〜飯南町上赤名) | 2.5km |
| 愛媛県 | 国道56号 | 鳥坂峠(西予市宇和町〜大洲市北只) | 7.0km |
高速道路
| 都道府県 | 路線 | 区間 | 延長 |
|---|---|---|---|
| 新潟県・長野県 | 上信越道 | 信濃町IC〜新井PA(上り線) | 24.5km |
| 山梨県 | 中央道 | 須玉IC〜長坂IC | 8.7km |
| 長野県 | 中央道 | 飯田山本IC〜園原IC | 9.6km |
| 石川県・福井県 | 北陸道 | 丸岡IC〜加賀IC | 17.8km |
| 福井県・滋賀県 | 北陸道 | 木之本IC〜今庄IC | 44.7km |
| 岡山県・鳥取県 | 米子道 | 湯原IC〜江府IC | 33.3km |
| 広島県・島根県 | 浜田道 | 大朝IC〜旭IC | 26.6km |
このページには平成29年度の実績にふれた記述もあり、区間は見直されることがあります。その冬の区間は、国土交通省や各地方整備局、高速道路会社の発表で確かめてください。
冬用タイヤ規制とは何が違うか
もう一方の「冬用タイヤ」の決まりは、ふだんの雪道すべてにかかわるものです。国土交通省四国地方整備局のページはこう説明しています。
- 都道府県の道路交通法施行細則や道路交通規則で、積雪や凍結した路面では、冬用タイヤを着けるなどのすべり止めの措置(防滑措置)が義務づけられている(沖縄県を除く)
- 違反すると反則金が科される場合がある(大型7,000円、普通6,000円)
並べると、違いはこうなります。
| 冬用タイヤの義務(防滑措置) | チェーン規制 | |
|---|---|---|
| いつ | 積雪・凍結した路面を走るとき | 大雪特別警報などが出るような異例の大雪のとき |
| どこで | 雪や氷の道路すべて(沖縄県を除く) | 峠などの決まった区間 |
| 求められるもの | 冬用タイヤなどのすべり止め | タイヤチェーン(スタッドレスだけでは通れない) |
つまり、スタッドレスタイヤを履いていればふだんの雪道の決まりは満たせますが、チェーン規制の区間は通れません。冬に雪の多い地域へ出かけるなら、スタッドレスタイヤに加えてチェーンも積んでおくのが、国土交通省や地方整備局がくり返し呼びかけていることです。
出かける前に
- チェーンは事前に着けてみる。四国地方整備局は「取り付けは難しそうにみえますが、やってみると簡単」として、動画などで取り付け方を確かめておくよう呼びかけています
- チェーンの着け外しは決まった場所で。頻繁な降雪が見込まれる区間には、タイヤチェーン脱着場が整備されています
- 立ち往生などで車を離れるときは、連絡先を掲示するよう求められています
- 通行規制や雪の状況は、各地方整備局の道路情報やX(旧Twitter)で発信されています
雪道は、思ったより時間がかかります。休憩をこまめにとれる場所を道の途中に見込んでおくと安心です。休憩の目安は運転は何時間で休憩すべきか、24時間使えるトイレと駐車場は一般道で24時間使えるトイレの記事にまとめています。
この記事は、国土交通省道路局「チェーン規制について」、国土交通省四国地方整備局「冬期は事前の冬用タイヤ・チェーンの装着携行をお願いします」、国土交通省道路局・警察庁「チェーン規制等に関する改正案のパブリックコメントを開始します」(いずれも2026年10月確認)をもとに構成しています。規制の内容や区間は変わることがあります。お出かけ前に最新の道路情報をご確認ください。
よくある質問
- チェーン規制とは?
- 異例の大雪のときに、決まった区間で、チェーンを着けた車だけを通す規制です。大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときに、峠などの決まった区間で行われます。
- チェーン規制はスタッドレスタイヤなら通れる?
- 通れません。スタッドレスタイヤを着けていても大雪のときは立ち往生することがあるため、チェーンをしていない車はチェーン規制中に通れません。
- 4WDならチェーン規制でも通れる?
- 通れません。大雪の峠では、4WD車は重量が大きく、下り坂で急ブレーキをかけたときに止まるまでの距離が長くなるため、チェーンを着けていないと通れません。
- スプレー式のすべり止めでチェーン規制を通れる?
- 通れません。スプレーのように薬剤を吹き付けるタイプでは、チェーン規制中に通れません。自動車用品店などで売られているタイヤチェーンであれば問題ないとされています。
- チェーン規制と冬用タイヤ規制の違いは?
- 冬用タイヤの義務は積雪・凍結した路面を走るときに雪や氷の道路すべて(沖縄県を除く)で求められ、チェーン規制は異例の大雪のときに峠などの決まった区間でタイヤチェーンを求めます。スタッドレスタイヤを履いていればふだんの雪道の決まりは満たせますが、チェーン規制の区間は通れません。
関連する記事
出典
- 国土交通省 道路局「チェーン規制について」(確認 2026-10)
- 国土交通省 四国地方整備局「冬期は事前の冬用タイヤ・チェーンの装着携行をお願いします」(確認 2026-10)
- 国土交通省 道路局・警察庁「チェーン規制等に関する改正案のパブリックコメントを開始します」(平成30年11月15日)(確認 2026-10)



