コラム

雪道の運転のコツ。出る前の準備、走り方、立ち往生したときを国の資料で

2026年10月14日 公開 2026年10月19日 更新

車内から見た、雪をかぶった杉林の間を緩やかに曲がる轍の残る雪道。記事タイトルを添えたアイキャッチ
目次
  1. まず、出かけるかどうか
  2. 出る前の準備
  3. タイヤとチェーン
  4. 燃料は満タンに
  5. 車に積んでおくもの
  6. 走り出す前に
  7. 走り方
  8. 「急」のつく操作をしない
  9. 速度を落とし、車間をあける
  10. 下り坂、カーブ、交差点
  11. 凍りやすい場所と時間
  12. 立ち往生したら
  13. 道をふさぐ車や雪だまりを見つけたら
  14. 道路と天気の情報をどこで見るか
  15. 雪の季節に道の駅を使うときは
  16. よくある質問

雪道の運転で大事なことは、走り方のコツより前にあります。出る前に備えること、走るなら「急」の操作をしないこと、動けなくなったら車の中で身を守ること。そして、大雪の予報が出ているなら出かけないことも選べます。警察庁、国土交通省とその地方整備局、気象庁が出している資料から、雪道を走る人に向けた中身をまとめました。

この記事は運転の一般論ではなく、国の資料に書かれていることだけを集めています。チェーン規制と冬用タイヤ規制のちがいはチェーン規制の記事に分けました。

まず、出かけるかどうか

国土交通省と気象庁は、大雪が予想されるときに連名で「緊急発表」を出します。2026年1月19日の発表は、最初にこう呼びかけています。

最新の気象情報や交通情報等に留意し、大雪が予想される地域では、テレワークの活用などを含め不要不急の外出を控えてください。外出が必要な場合には、十分な時間的余裕を持って行動いただくようお願いします。

— 国土交通省・気象庁「大雪に対する国土交通省緊急発表」(令和8年1月19日。2026年10月確認)

気象庁は、雪の少ない地域の車が雪の多い地域へ入って立ち往生し、その車を先頭に大規模な滞留が起きることがしばしばある、と書いています。ふだん雪道を走らない人ほど、予報を見て日をずらす価値があります。

大雪のときには、高速道路と直轄国道が同時に通行止めになることもあるとされています。大規模な車の滞留を避けるための「予防的通行止め」です。国が管理する道路では、急な上り坂で大型車が立ち往生しやすい場所などを「予防的通行規制区間」に選んでいて、令和7年度は全国で243区間(約3,500km)です。

出る前の準備

タイヤとチェーン

警察庁の「雪道などの運転方法」は、雪道や凍った道は大変滑りやすく危険だとして、タイヤチェーンなどの滑り止めを着けるか、スタッドレスタイヤなどの雪路用タイヤを着けるよう求めています。関東地方整備局は、積雪や凍結で滑るおそれのある道路では冬用タイヤやチェーンなどの装着が義務づけられていて、違反すると罰則の対象になると書いています。

スタッドレスタイヤを履いていても、それで終わりではありません。三重河川国道事務所は「万が一に備え、タイヤチェーンとジャッキも準備しておきましょう」としています。緊急発表も、降雪時は冬用タイヤだけでは立ち往生する場合があるので早めにチェーンを着けるよう求めています。緊急発表は、チェーンを積むだけでなく着け方を事前に確かめておくことも挙げています。

燃料は満タンに

中国運輸局の大雪のお知らせは、やむを得ず出かけるなら燃料を満タンにするよう呼びかけています。北陸地方整備局の「雪ナビ」は、軽油は低温で凍り出すおそれがあるので寒冷地仕様のものにするよう書いています。

車に積んでおくもの

国の資料に名前が挙がっているものを並べると、こうなります。

積むもの 何のためか(資料の説明) 出典
タイヤチェーン・ジャッキ スタッドレスでも万が一に備える 三重河川国道事務所
スコップ・砂 駐車場の除雪、スリップして動けなくなったとき 三重河川国道事務所・緊急発表
けん引ロープ スタック(立ち往生)したとき 三重河川国道事務所
ブースターケーブル 冬場はバッテリーの消耗が激しくなりがち 三重河川国道事務所
軍手・長靴・懐中電灯 チェーンの着け外しなど外で作業するとき 三重河川国道事務所
毛布・防寒着 慣れない雪道で役立つグッズとして挙がっている 三重河川国道事務所
水・食料 車の滞留に巻き込まれたとき 中国運輸局

走り出す前に

雪ナビは、出発前の確認として車の雪をすべて落とす、ガラスの凍結や霜も取り除く、靴の雪もしっかり落とす、燃料の残量を確かめる、を挙げています。

走り方

「急」のつく操作をしない

雪道の走り方で、どの資料も最初に書いているのがこれです。

急発進、急ブレーキ、急ハンドルは絶対にやめましょう。

— 警察庁「雪道などの運転方法」(2026年10月確認)

関東地方整備局も、急発進・急加速・急停止・急ハンドルなど「急」のつく運転は禁物だとしています。警察庁は、横滑りを起こすことが多いのでハンドルとブレーキの操作は特に慎重に、とも書いています。

速度を落とし、車間をあける

警察庁は、速度を十分落とし、車間距離を十分とって運転するよう求めています。できるだけ前の車が通った跡(わだち)を選んで走ること、も同じページにあります。雪ナビは、日中でもライトを点けること、たまった雪はデフロスターで溶かすことを挙げています。

下り坂、カーブ、交差点

  • 下り坂:三重河川国道事務所は、下り坂は滑りやすいので「ゆっくりブレーキ」「スピードは控えめ」、上り坂は「ゆっくり加速」を、としています
  • エンジンブレーキ:雪ナビは、下り坂や交差点ではフットブレーキだけに頼らず、エンジンブレーキを使うよう書いています
  • カーブ:カーブの手前の直線のうちに、ブレーキとシフトダウンを終えるのが原則です(雪ナビ)
  • 交差点:発進と停止がくり返されるので、タイヤに磨かれてつるつるになった「ミラーバーン」になりやすい場所です(三重河川国道事務所)

凍りやすい場所と時間

三重河川国道事務所は、事故の起こりやすい場所として風通しのよい橋の上と、トンネルの出入口付近を挙げています。ほかより気温が低く、路面が凍りやすいからです。関東地方整備局も、橋の上は構造的に雪が積もりやすく、凍結するおそれがあるとしています。

時間帯では朝晩と夜です。昼間は濡れているだけの路面が、夜には凍っていることがあります。

立ち往生したら

雪で動けなくなったときのことは、北陸地方整備局の「雪ナビ」がいちばん具体的に書いています。

  • むやみに車を離れない。避難できる場所や救助を求められる人が確実に確認できるとき以外は、車を離れてはいけない。吹雪の中で位置を見失い、遭難するおそれがある
  • 止まっていることを知らせる。ハザードランプを点け、停止表示板や旗を掲げる
  • 救助を呼ぶときは位置を正確に。国道の番号と位置は、道路わきに1kmごとに立っている地点標(キロポスト)に書いてある
  • 暖房は燃料とバッテリーに注意しながら
  • 交代で眠る。夜に同乗者がいるときは、一人は必ず起きて救助が来ていないか確かめる

なかでもいちばん命に関わるのが、一酸化炭素中毒です。

排気口が雪に埋まると、車内に排気ガスが逆流し一酸化炭素中毒になるおそれがあります。マフラー付近が埋まらないように定期的に除雪し、窓を少し開けて換気を行いましょう。

— 北陸雪害対策技術センター(北陸地方整備局)「おしえて!雪ナビ 雪みちで困ったら」(2026年10月確認)

雪ナビは、駐車するときはエンジンを切る、とも書いています。雪でマフラーがふさがれると、一酸化炭素中毒の危険があるからです。

道をふさぐ車や雪だまりを見つけたら

立ち往生して道をふさいでいる車や、通行に支障がある雪だまりを見つけたら、道路緊急ダイヤル「#9910」に知らせます。国土交通省の窓口で、全国共通・24時間受付・無料です。事故の場合は、警察(110番)へ連絡します。

道路と天気の情報をどこで見るか

  • 国土交通省「冬の道路情報」:各地域の道路の積雪情報などへのリンク集です。冬のあいだ閉鎖される道路があることも、ここで案内されています
  • 気象庁「大雪に関する情報」:5日先までに警報級の大雪が予想されるときは「早期注意情報(警報級の可能性)」が出ます。積雪の深さと降雪量を6時間先まで確かめられる「今後の雪(降雪短時間予報)」は、出発を変える、迂回する、といった判断に使えるとされています
  • 気象防災速報(短時間大雪):これが出た地域では、不要不急の外出を控え、ほかの地域からもその地域に向かわないことが肝要だと、気象庁は書いています

雪の季節に道の駅を使うときは

道の駅は、駐車場とトイレを24時間無料で使えることが登録の条件です(登録要件の記事)。雪道で疲れたとき、チェーンを着ける前に一度落ち着きたいときに、一般道で当てにできる場所です。疲れたら早めに停まって休む話は運転の休憩の記事と仮眠の記事にまとめています。

ただし、雪の多い地域では冬のあいだ施設ごと閉まる道の駅があります。登録の条件は、いつでも開いている保証ではありません。冬に寄る予定の駅は、その駅の公式サイトで冬季の運用を確かめておいてください。ミチロクの各駅ページから、確認できた駅の公式サイトへたどれます。


この記事は、警察庁「雪道などの運転方法」、国土交通省関東地方整備局「雪道の安全走行のために」、中部地方整備局三重河川国道事務所「積雪・凍結道路を走る前に準備しておきたいもの」「積雪・凍結道路の注意ポイント」、北陸雪害対策技術センター(北陸地方整備局)「おしえて!雪ナビ」、国土交通省・気象庁「大雪に対する国土交通省緊急発表」(令和8年1月19日)、中国運輸局「大雪に関するお知らせ」(令和8年1月19日)、気象庁「大雪に関する情報について」、国土交通省道路局「大雪時の予防的通行規制区間」「道路緊急ダイヤル」「冬の道路情報」(いずれも2026年10月確認)をもとに構成しています。引用部分は各ページからの引用で、出典表示のうえ利用しています。区間数などの数字は年度ごとに変わるので、出かける前に最新の情報をご確認ください。

よくある質問

雪道の運転で気をつけることは?
急発進・急ブレーキ・急ハンドルなど「急」のつく操作をしないことです。警察庁は、速度を十分落とし、車間距離を十分とって運転するよう求めています。
雪道で凍りやすい場所は?
風通しのよい橋の上と、トンネルの出入口付近です。ほかより気温が低く、路面が凍りやすいからです。時間帯では朝晩と夜で、交差点も「ミラーバーン」になりやすい場所です。
スタッドレスタイヤならチェーンはいらない?
いらないとは限りません。三重河川国道事務所はスタッドレスタイヤでも万が一に備えてタイヤチェーンとジャッキを準備するよう書いていて、緊急発表も、降雪時は冬用タイヤだけでは立ち往生する場合があるので早めにチェーンを着けるよう求めています。
雪道に備えて車に積んでおくものは?
国の資料には、タイヤチェーン・ジャッキ、スコップ・砂、けん引ロープ、ブースターケーブル、軍手・長靴・懐中電灯、毛布・防寒着、水・食料が挙がっています。やむを得ず出かけるなら、燃料を満タンにするよう呼びかけられています。
雪で立ち往生したらどうする?
むやみに車を離れず、ハザードランプを点けて止まっていることを知らせます。排気口が雪に埋まると一酸化炭素中毒になるおそれがあるので、マフラー付近を定期的に除雪し、窓を少し開けて換気します。
あおり運転(妨害運転罪)の罰則は最大5年の拘禁刑。対象になる11の行為と、受けたときの対処ハイビームとロービームの使い分け。教則の原則は「上向き」、すれ違うときと前に車がいるときは下向き足湯のある道の駅は53駅。源泉かけ流しや、海と富士山を眺める足湯も防災道の駅とは。選ばれた79駅の一覧と選定の条件

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